2026年度の介護報酬臨時改定に向け、12月24日に行われた片山さつき財務相と上野賢一郎厚労相による折衝の結果、改定率はプラス2.03%(介護職員の処遇改善+1.95%、食費の基準費用額引上げ+0.09%)で合意した。これに先立ち、社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田辺国昭・東京大学大学院教授)は23日、臨時改定の審議報告をとりまとめた。処遇改善加算を拡充し、これまで対象外だった居宅介護支援や訪問看護、訪問リハビリテーションを新たに対象とする。施行時期は今年6月に定め、補正予算による緊急支援を恒久的な報酬体系へと引き継ぐ。
改定の柱は、介護職員等処遇改善加算(以下、処遇改善加算)の対象範囲の拡大。現行制度で介護職員の配置基準がないために対象外とされてきた▽居宅介護支援・介護予防支援▽訪問看護▽訪問リハビリテーション――の3サービス(予防を含む)を対象に加える。ケアマネジャーや看護師など、介護現場で働く幅広い専門職の処遇改善を求める「骨太の方針2025」を反映した形。居宅療養管理指導や福祉用具貸与・販売は引き続き対象外となる。
新たに対象に加わるサービスは、現行の「I〜Ⅳ」のような多段階評価ではなく、単一の区分となる見通し。現行の「加算Ⅳに準ずる要件」(キャリアパス要件I・Ⅱ、職場環境等要件)、または生産性向上や協働化の取組みを求める「特例要件」のいずれかを満たすことが算定要件となる。
既存の処遇改善加算(I〜Ⅳ)は現行の構造を維持しつつ、さらなる賃上げに向けて、「特例要件」の取組みを評価する上乗せ区分を設ける。具体的には、上位区分のIとⅡに対し、「I・ロ」「Ⅱ・ロ」を新設。算定要件は、訪問・通所系サービスでは「ケアプランデータ連携システム」の導入、施設系サービスでは「生産性向上推進体制加算」の取得などが想定されている。補正予算による「幅広い従事者への賃上げ」と「生産性向上に取り組む事業所への上乗せ」の二階建て構造を報酬体系に取り込み、事業所の体質強化を通じて継続的な賃上げを目指す。
また、26年度中に新規取得や上位区分への移行を目指す事業所については、キャリアパス要件などの整備が施行に間に合わない場合でも、年度内の対応を「誓約」することで、施行当初から算定を認める弾力的な運用を行う。
審議報告では、27年度の改定に向け、「持続的な賃上げに向けた環境整備や事務負担軽減の観点から考え方を整理すべき」とし、介護分野の処遇改善について検討を継続する方針を示した。
処遇改善以外では、物価高騰の影響を踏まえ、介護保険施設等の食費の基準費用額を1日当たり100円引き上げる。今年度の経営概況調査で、施設における食費の平均費用額が現行の基準額(1日1445円。所得に応じて段階的に限度額あり)を上回っている実態が判明し、緊急的な対応として実施されることになった。
<シルバー産業新聞 2026年1月10日号>
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