書類選考を通ると、次はいよいよ面接です。「どんな質問をされるのだろう」と不安に思っている人も多いでしょう。
この記事では面接の基本的なマナーやよくある質問、回答の例を紹介します。
回答に困ったときの対処方法も紹介しますので、面接前にご一読ください。
目次
■介護職の面接の基本的なマナー面接では受け答えだけでなく、人となりを見られています。たとえ受け答えが完璧でも、マナーが悪いと評価が下がってしまう恐れがあります。
そのため、以下の基本マナーは最低限おさえておきましょう。
介護職は人と接する仕事のため、コミュニケーション能力を特に重要視されます。
身だしなみや話し方などで良い印象を与えられるよう、マナーを守って面接に挑みましょう。
介護職の面接では以下のような流れで質問されるのが一般的です。
まずは応募者の自己紹介や志望動機を話します。
その後、長所や短所などの特性や介護業界に関する質問を行い、介護職の適正を判断されます。
面接の最後には「なにか質問はありますか?」と、いわゆる逆質問をされ、面接が終わるパターンが多いようです。
なお、実際の面接内容は会社によって異なるためあくまで参考程度にとどめましょう。
詳しい質問内容と回答例は次の見出しから解説します。
面接が始まると、多くの場合にまず自己紹介を求められます。
自己紹介は一番話しやすいので、緊張を和らげるための配慮でもありますが、このとき面接官は、本人確認をしながらはじめて対面するあなたの印象をしっかり見ているのです。
自己紹介では、一般に次のような内容を話します。笑顔でハキハキ話すように心がけましょう。
<回答例文>
よくある失敗は、「自己紹介」を求められているのに「自己PR」をしてしまうこと。
「営業の仕事をしてきたので、コミュニケーション能力には自信があります。御社でもきっとお役に立てると信じています」のように能力や意欲のアピールをし過ぎると、質問の意図を理解していないことになります。
「自己紹介」と「自己PR」は分けて考えましょう。
自己紹介の後には、次のような志望動機に関する質問をされるパターンが多いです。
どちらも聞かれる可能性が高い質問ですので、あらかじめ話す内容を考えておきましょう。
介護業界を選んだ理由について、面接官は大きな関心を持っています。
志望動機はどの業界でも聞かれますが、介護業界ではとくに注目されるポイントです。
この質問で、安易な気持ちから応募しているのではないことを確認しています。
「介護業界で働きたい」という気持ちを明確に伝えるためには、次のような内容を含めて話すと良いでしょう。
<回答例文>
回答としてNGなのは、「人手不足の業界だと聞いて、専門知識がなくてもできると考え志望しました」のような例。
これでは動機が安易だと思われてしまいます。
「介護業界は人手不足であると耳にしました。私は深く人と関わる仕事に就きたいと考えていましたので、力になれることがあるのではないかと思い志望しました」と言い換えれば、印象はまったく変わってきます。
希望する介護業界のなかでも、なぜその会社を選んだのか、どんなところに興味を持ったのかを問う質問です。
ここでは、会社への熱意だけでなく、その会社のことをしっかり調べて理解した上で応募しているかもチェックされます。
適切に答えるためには、次のようなことを意識しましょう。
こうした内容が不十分だと、どれだけ介護に対する気持ちが真剣でも、「別に弊社じゃなくてもいいのでは?」と思われてしまいます。
面接官に思いが伝わるように、まずは企業研究から始めましょう。
<回答例文>
なお、「他社より給料が良いからです」といった答えでは、率直過ぎて苦笑されるだけでなく、ささいな理由で辞めてしまいそうだなと判断されてしまうかもしれません。
答えに自分の意欲を加えて「収入面で恵まれているので、精一杯頑張れる職場だと感じたからです」と言えば、力点が変わって印象が良くなります。
一緒に働くうえでは特性も大切です。面接では応募者の特性を見抜くために、以下のような質問がされます。
「学生時代に力を入れたこと」は新卒だけでなく、20代など若いうちあれば聞かれることが多い質問です。
社会人経験が長い方の場合、「いまの会社で力を入れて取り組んだことは?」と言い換えて質問されることがあります。自身の状況に置き換えて回答を考えておきましょう。
新卒の場合はエントリーシートにも記載することの多い内容ですが、面接の場でもあらためて詳しく聞かれるのがこの質問です。
学生時代に力を入れたことについて、まず本人の口から語らせて、さらに質問を重ねて深堀りしながら、自社に合う人材かどうかを見きわめるのが狙いです。
「力を入れたこと」「がんばったこと」は、どんな分野でもかまいません。難しく考えることはありませんが
などについて、自分なりに掘り下げて考えておく必要があります。
<回答例文>
「特別頑張ったことなどない」と焦ってしまう人もいるかもしれません。しかし、何も思いつかないからといって、嘘をでっちあげると簡単にばれてしまいます。自分の経験を振り返って、自分なりに頑張った経験を見つけてまとめてみましょう。
介護の仕事には適性があるため、長所と短所から見きわめたいという意図があります。
とくに短所について、仕事に与える影響がないかどうかを確認されます。
介護の仕事では、明るい性格や体力がある点が評価されやい傾向ですので、長所ではその面をクローズアップして話すと効果的です。
具体的なエピソードがあれば添えるようにしましょう。
また短所でも、改善するために努力している点を含めて話せれば、むしろ印象がプラスに変わるともあります。
<回答例文>
極度の人見知りや怒りっぽい性格は、一般的に介護の仕事には不向きだと考えられていますので、「人見知りが強いことが弱みです」「短所は怒りっぽいところです」とストレートに表現するのはNGです。
「初対面の人の前では緊張しやすい」「感情が顔に出やすい」のように言い換えてみましょう。
せっかく採用した人がすぐに辞めてしまうと困るため、以下のような介護側の適正に関する質問がされることもあります。
日ごろから考えていないととっさの回答が難しい内容ですので、あらかじめ準備しておくことが成功のカギです。
どのような目的意識や、やりがいを持って働こうとしているのかを尋ねる質問です。
志望動機と同じく、応募先の会社で実現可能な内容であるかどうかも大切なポイントになります。
回答では、具体的な目標とそれを実現するために具体的に何をしたいかを伝えます。
抽象的なぼんやりした夢や、その職場ではかなえられないような目標、業界と関係のないキャリアプランではあまり意味がありません。
応募先の企業研究をして、そこで自分が努力すれば可能な内容を目標として話しましょう。
<回答例文>
ここでは「介護業界をよくしていきたい」のような壮大な話は求められていません。
より現実的な「資格取得を目指したい」「ご利用者様の心に寄り添える介護がしたい」など、具体的な行動が見えるような目標にすると良いでしょう。
介護業界で働こうと考えているなら、日ごろから介護関連のニュースに対してアンテナを張っていて、関心を持って見ているのではないでしょうか。
面接官は、それを期待して尋ねています。質問に対して即座に答えることができれば、介護業界への関心も本物だとみなされます。
介護は社会問題として扱われることが多いので、新聞やテレビなどでもよく報道されています。
介護をキーワードに、日頃からニュースに目を向けておきましょう。
<回答例文>
「特にありません」と答えてしまうと、介護について興味がないのではないかと判断されてしまいます。
大きなニュースでなくてもかまわないので、自分が気になったものを取り上げましょう。
採用後に長く働いてくれそうかを確認するため、以下のような働き方に関する質問もされます。
良い印象を与えようとして嘘をつくと、入社後にトラブルになる恐れがあります。
働き方に関しては素直に伝えることが特に大切です。
施設によっては人手不足なこともあり、早く働き始めてくれる人材を求めている可能性があります。
もしくは、採用前提で考えてもらえており、この質問を投げかけてくることも。
在学中・在職中であってもあらかじめいつから働けるか入社予定日を決めておきましょう
<回答例文>
すぐには働けない場合も、「わかりません」はよくありません。
在職中など、すぐには働けない理由とともに、いつからなら働けるのか明確な日付を伝えましょう。
入所型の施設など24時間体制の施設はシフト制のため、必ず聞かれる質問です。
施設側としては夜勤や残業も対応できる人材がほしいと考えています。
いつなら残業ができるのか、具体的に伝えるのがポイントです。
<回答例文>
もし対応できない場合も、対応できない理由も明確に伝えましょう。
施設側は夜勤や残業ができる人材が欲しいため、現時点では残業や夜勤ができなくても、ゆくゆくは対応する気持ちがあることも伝えると良いです。
応募者の興味や関心を知りたいと考え、この質問をする場合があります。
どのような仕事にやりがいを感じるのか知ることでミスマッチを防ぎ、入職後のモチベーションの低下を回避しようとしています。
そのため、自身が担当したい業務を具体的に伝えることが重要です。
<回答例文>
「なんでもやります」は一見熱意があるように見えるが、漠然としているうえ受け身な印象を与えます。
できるだけ具体的に担当したい業務や興味がある業務を伝えましょう。
その他にも、施設によっては以下のような質問をされることがあります。
事前に回答を考えておくとスムーズに返答ができるでしょう。
この質問への回答により、施設側の希望する採用条件に合っているか判断します。
また、自分の経歴や実績を客観視し、市場価値を理解できているかという面の確認にも使われることがあるでしょう。
そのため、求人票にある年収を確認しておくのはもちろん、保有している資格を持っている方の平均年収も調べておくのがおすすめです。
<回答例文>
年収の希望がない場合、やる気がないと判断される恐れがあります。
また、相応の経歴がないのにもかかわらず施設の想定している年収以上の額を提示すると、不採用になるかもしれないため注意が必要です。
関連記事:面接で希望年収を聞かれたときの正しい答え方は?好印象な答えはコレ!<面接Q&A>
転職活動において、複数の会社に応募していることは面接官の想定内です。
採用を検討する側としては、この質問によって自社の志望順位や本気度を測り、「内定を出したら実際に入社してくれるか」を間接的に知りたいと考えています。
回答次第では、企業選択の軸の強さも見てとれる質問です。
答え方については、面接の段階に応じて変わってきます。
答えに詰まってしまわないように、次のようなポイントを押さえて準備をしておきましょう。
<回答例文>
落ちた会社について、「A社は受けましたが、一次選考で落ちてしまいました」のように話すと、どうしても相手にマイナスの印象を与えてしまいます。
話題にする必要はありませんし、不合格が確定していない場合には、「A社は一次選考の結果待ちです」と答えて、「結果待ち」としておく方法もあります。
面接の最後には「何か質問はありますか?」という、いわゆる「逆質問」がある場合が多いです。
事前に質問したいことを考えておきましょう。
「特にありません」では、「聞きたいことがないということは、弊社にあまり興味がないのかな」と解釈されかねませんので、積極的に質問すべきです。
ただし、求人票を見ればすぐにわかることや、すでに説明されたことをもう一度聞くのは逆効果。
応募先の情報をしっかり調べたうえで、疑問に思ったことを質問するようにしましょう。
<回答例文>
いきなり「給料はいくらですか?」のように条件面の質問をすると、マイナスの印象を与えてしまうかも。求人票に載っている情報でもあるので、避けるべきでしょう。
関連記事:面接の逆質問で印象アップ!「何か質問は?」への答え方
面接では、予想したもの以外の質問をされることもあります。
あえて難しい質問を行い、柔軟性やコミュニケーション力を試しているのかもしれません。
想定外の質問をされたときには、以下の対応を行いましょう。
ここでは、回答に困ったときの対処方法を紹介します。
知識を問われるような、今の自分では考えてもわからない質問をされたときは正直に「わかりません」と伝えましょう。
知ったかぶりで取り繕った回答は、面接担当者にもバレるものです。
それよりは素直で正直な姿勢で答えるほうが印象も良くなります。
いったん落ち着けば答えられそうな質問であれば、一度考える時間をもらいましょう。
回答に困るとつい黙ってしまいがちになるものですが、突然黙ってしまうのは印象が悪くなる恐れがあります。
「難しい質問ですね」など相槌をうちつつ、「少し考える時間をいただけますか?」など伝え、冷静に考える時間をもらいましょう。
面接では自己紹介から始まり、自身の特性や働き方などさまざまな質問をされます。
事前に話す内容を考えておくことで、本番でスムーズに話せるようになるでしょう。
ただし、実際の面接では想定していない質問をされることもあります。
考えてもわからない質問には正直に「わかりません」と伝えましょう。
もし答えられそうであれば「3分ほど時間をください」など伝え、考える時間を確保し落ち着いて回答してください。
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