介護業界では、介護福祉士やケアマネジャーなど介護業務のスキルアップ・キャリアアップに関する資格を目指している方も多いです。
その一方で、介護関連以外の資格が介護職の仕事に役に立つということもあるんです!
今回は、パソコン業務を行う人にはなじみがある資格「MOS」について、試験の概要や介護職への活かし方などをについて解説していきます。
MOSとは、「マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト」のことで、Word(ワード)やExcel(エクセル)などマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明する資格です。
マイクロソフトオフィス製品は、バージョンアップのたびに新しい機能が追加されたり改善されたりするため、MOSはバージョンごとに試験を用意しています。
資格のバージョンアップ制度はないため、取得後に新しいバージョンの資格が欲しい場合は、再度受験が必要となります。
レベルは、一般レベルと上級レベル(エキスパート)があり、最初から上級レベルの受験も可能です。
WordやExcelは、多くの会社や施設で使用されているソフトであるため、スキルを証明できるMOSを取得することで転職や就職で有利に働きます。
さらに、試験対策学習でWordやExcelのさまざまな機能を使いこなせるようになるため、作業効率の向上も期待できます。
MOSで得られる知識やできるようになることは、以下の2つが挙げられます。
それでは、1つずつ解説していきます。
MOSを取得することで、パソコンスキルを客観的に証明することができます。
近年は、現場で働く介護士でもパソコンの操作が必要となる場合が多いです。
しかし、介護士のなかにはパソコン操作が苦手な方も多いため、パソコンスキルを有する人を積極的に採用している施設もあります。
そのため、MOSを取得することで、就職や転職などで有利に働くケースがあります。
MOSは、Word・Excel・PowerPointを実際にパソコンで操作する実技試験です。
そのため、試験対策学習ではWord・Excel・PowerPointのさまざまな機能を効率よく身につけることができます。
短時間で見栄えのよい文章の作成やデータの分析などが可能となるため、業務効率が向上するだけではなく、上司からの評価などにもつながるでしょう。
MOSの取得で活躍できる職場は、マイクロソフトのオフィス製品を使用している会社です。
WordやExcel、PowerPointを使用する機会がある会社に勤めている方は、MOSを取得することで作業効率の向上が期待できます。
プレゼンの機会が多い営業職の方、文書作成や表計算を行う機会が多い事務職の方は、とくに役立つ資格でしょう。
介護の現場では、利用者さんやそのご家族へのケアプランの提案をWordやPowerPointを利用して、分かりやすく行うことができるようになります。
他にも、文書や企画書の作成、表計算が効率よくできるようになるため、さまざまな場面で活躍できるでしょう。
MOSは、職種を問わずさまざまな職場で役立つ資格の1つです。
MOSは、受験資格を設けていません。
そのため、年齢や学歴、国籍問わず誰でも試験に挑戦することができます。
ただし、未成年の方が受験する場合は、保護者の同意が必要です。
まあ、同一科目の2回目の受験は、前回受験から24時間待ってから再受験が可能です。3回目以降の受験は、前回の受験から48時間待ってから再受験が可能です
上記のルールに違反した場合は、取得済みの認定資格の取り消しや受験資格喪失の可能性があるため注意が必要です。
MOSをスムーズに取得するためには、試験概要を把握しておくことが大切です。
ここからは、試験日程や受験費用など試験の概要について紹介していきます。
■試験日程
MOSの試験は、全国一斉試験と随時試験があります。
全国一斉試験は毎月1〜2回日曜日に、随時試験はほぼ毎日試験を実施しています。
そのため、仕事で忙しい方でも、休日などを利用して取得しやすい資格です。
■受験料
MOSの受験料は、一般レベルと上級レベルで異なります。
一般レベルの一科目ごとの料金は10,780円(税込)、上級レベルの一科目ごとの料金は12,980円(税込)です。
また、MOSの試験では一般料金から一律で2,000円が割り引きとなる学割も用意されています。
一科目ごとの学割適用時の料金は、一般レベルで 8,580円、上級レベルで 10,780円です。
■申込方法
MOS試験の申込方法は、全国一斉試験と随時試験で異なります。
全国一斉試験の場合は、インターネットからの申し込みです。
一方で随時試験の場合は、試験会場へ直接申し込みを行うかたちとなります。
■受験会場
随時試験での受験を希望する場合は、株式会社オデッセイコミュニケーションから認定を受けた、全国約1,700のパソコン教室や企業、専門学校などが受験会場となります。
直接受験を希望する会場へ申し込みを行うため、随時試験の場合はアクセスが良好な受験会場を選択することが可能です。
一方で全国一斉試験を希望する場合は、試験会場の地域の指定はできますが、会場の指定はできません。
そのため、随時試験を選択した方がアクセスのよい会場で受験できる可能性が高いです。
2023年MOSの全国一斉試験の試験日と申込期間は、以下の通りです。
試験日 | 申込期間 |
2023年8月13日(日) | 2023年6月27日(火)~7月17日(月) |
2023年9月10日(日) | 2023年7月18日(火)~8月14日(月) |
2023年10月8日(日) | 2023年8月15日(火)~9月11日(月) |
2023年11月12日(日) | 2023年9月12日(火)~10月16日(月) |
2023年12月10日(日) | 2023年10月17日(火)~11月13日(月) |
2023年8月以降の全国一斉試験の試験日は、すべて第2日曜日です。
基本的にMOSの全国一斉試験は日曜日に実施されますが、第何日曜日かは月によって異なります。
一方で随時試験の場合は、全国約1,700か所の試験会場ごとに試験実施日が異なります。
そのため、公式ホームページの「試験会場の検索」より、受験したいバージョンやアクセスのよい会場、実施日を確認したうえで申し込みを行いましょう。
■合格発表
MOSの合格結果は、試験直後に確認できます。
試験直後に、得点や分野別正解率が記載された「試験結果レポート」を試験会場で受け取ることが可能です。
さらに、試験終了2〜3時間ほどで合格認定証がオンラインで反映されます。
MOSの資格を取得するための学習方法は、パソコン教室などで試験対策講座を受講する方法と独学で学習する方法の2通りがあります。
いずれの方法で学習する場合も、一発で資格取得を目指すには、試験内容を把握しておくことが重要です。
ここからは、試験の形式や出題範囲、合格基準などについて解説していきます。
■試験出題範囲
試験の出題範囲は、バージョンやレベルによって異なります。
一例として、Word2019一般レベルの試験範囲は以下の通りです。
【Word2019 一般レベル】
文書の管理
・文書内の移動
・文書の書式設定
・文書の保存、共有
・文書の検査
文字、段落、セクションの挿入と書式設定
・文字列や段落を挿入
・文字列や段落の書式を設定
・文書にセクションを作成、設定する
表やリストの管理
・表を作成
・表を変更
・リストを作成、変更する
参考資料の作成と管理
・参照のための要素を作成、管理する
・参照のための一覧を作成、管理する
グラフィック要素の挿入と書式設定
・図やテキストボックスを挿入
・図やテキストボックスを書式設定
・グラフィック要素にテキストを追加
・グラフィック要素を変更
文書の共同作業の管理
・コメントを追加、管理する
・変更履歴を管理する
Wordの一般レベルは、文書の書式設定や表の作成など基礎的なスキルを問われます。
Wordの上級レベルでは、基礎的な知識に加え設定や管理など、より高度なWordスキルが必要です。
詳しい出題範囲を知りたい場合は、試験概要の試験科目の一覧表より受験希望科目の出題範囲を確認してください。
■試験の形式と制限時間
MOSの試験は、コンピューターを使用した実技試験となります。
制限時間は、試験科目やレベルに関わらずすべて50分です。
■合格基準
MOSの合格基準は、公表されていません。
公式ホームページによると、合格の目安は1000点満点で550点〜850点の範囲とされています。
ただし、科目によっては550点〜850点の範囲にあてはまらないものもあるため、試験に挑戦する際は十分に試験対策学習を実施する必要があります。
■合格率と難易度
MOSの合格率は、公表されていません。
一般レベルであれば、日ごろからWordやExcel、PowerPointを仕事などで使用している方にとってそれほど難易度は高くないでしょう。
一方で、WordやExcelを使用したことがない方にとっては、難易度が高く感じる試験です。
また、上級レベルに関しては、日ごろからWordやExcelなどを使用している方にとっても、試験対策学習を実施しないと難易度が高く感じることでしょう。
MOSは、介護職に従事する方にとっても、メリットが大きい資格です。
介護職の方がMOSを取得するメリットは、以下の2つが挙げられます。
・資料作成が効率的に行える
・介護事務の就職に有利
MOSはスキルを証明するだけではなく、試験対策学習によりWordやExcelなどの基本的操作を効率的に使いこなせるようになります。
介護の現場では介護記録や社内文書の作成などがあり、さまざまな文書や表を作成する場面が多いです。
見栄えのよい文書を短時間で仕上げることができると、本来の介護業務に時間を割くことができるようになるため、介護の質の向上につながります。
また、介護事務の仕事に興味がある方にとってもMOSはメリットの大きい資格です。
介護事務の仕事はパソコン操作が必要となるため、客観的にパソコンスキルが証明できるMOSは就職の際のアピールポイントとなります。
介護事務の仕事に興味がある方や効率的に文書作成を行いたい方は、MOSの取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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